生産性アップ!短時間でも質の良い睡眠をとるには?

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みなさんは

  • 昼間眠気があって辛い
  • 朝すっきり起きられない
  • 睡眠時間が十分取れない

という悩みを抱えていませんか。

それらの悩みは質の良い睡眠をとることで、解決するかもしれません。

今回は、

  • 睡眠の質を決める要素
  • 短時間でも質の良い睡眠をとる方法

についてご紹介します。

この記事は『スタンフォード式 最高の睡眠』という本を参考に書きました。

この本では睡眠研究の総本山と言われているスタンフォード大学の研究結果をおしげもなく紹介されています。

著者の西野精治さんは、このスタンフォード大学で、なんと30年以上も睡眠の研究をされているのです。

この記事を読めば

  • 短い時間でも、すっきり起きられる
  • 質の良い睡眠をとれるようになることで、仕事の生産性が上がる

ようになります。

Kosei
Kosei

質の良い睡眠をとれるようになって、仕事のパフォーマンスを上げちゃいましょう。

何が睡眠の質を決めるのか

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入眠後最初の90分が勝負

そもそも、何が睡眠の質を決めるのでしょうか。

睡眠研究によると、眠り始めの90分間の質が、残りの睡眠の質を決めることが分かっています。

なぜなら、睡眠では最初の90分の眠りが一番深く、そのあとはそれ以上深くならないからです。

もう少し詳しく説明します。

なぜ眠り始めの90分が大事なのか

まず睡眠には

  • 深い眠りのノンレム睡眠
  • 浅い眠りのレム睡眠

の2種類があるのですが

睡眠中は90~110分のノンレム睡眠と、約10分のレム睡眠で1つのサイクルを作り

起きるまでにこのサイクルが4回ほど繰り返されます。

そして、皆さんが眠り始めてすぐは、1サイクル目の90分間のノンレム睡眠に入ります。

この最初の90分間のノンレム睡眠が最も深く、サイクルを重ねるごとに眠りが浅くなっていきます。

つまり、最初の90分間の眠りが浅いと、そのあとの眠りはそれ以上深くならないため

最初の90分間の眠りの質が悪いと、残りの眠りの質も悪くなってしまうのです。

それに加えて、この最初の90分間に眠気の原因である睡眠圧のほとんどが解消されることも分かっています。

このように、最初の90分間の眠りの質が、残りの眠りの質も決めるのです。

睡眠開始90分の質を高めるには

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ではどうすれば睡眠開始後の90分間の質を高めることができるのでしょうか。

その鍵は

  • 入眠前に深部体温を下げる、または皮膚温度を上げる
  • 日中の良い覚醒

にあることが分かっています。

「なぜ睡眠のことなのに覚醒時のことを書くのだろう」と疑問に思った方がいらっしゃるかもしれません。

その理由は、睡眠と覚醒は表裏一体で、良い睡眠は良い覚醒から生まれることが分かっているからなのです。

次の章では、眠りはじめの90分間の質を高めるための方法について解説していきます。

入眠前に深部体温を下げる、または皮膚温度を上げる

研究では、深部体温を下げる、または皮膚温度を上げることが、スムーズな入眠を促すことが分かっています。

これは、深部体温と体の表面の温度(皮膚温度)の差が縮まるからだといわれています。

そもそも、起きている間(覚醒時)は、深部体温が高く、皮膚温度は低いです。

しかし、就寝前になると手足から熱を放出(熱放散)して、深部体温を下げようとします。

そして、深部体温と、皮膚温度の差が2℃以下に縮まった時に、最も眠たくなるのです。

つまり、深部体温の低下と、皮膚温度の上昇を助けると入眠しやすくなるということです。

ちなみに、なぜ体は就寝前に深部体温を下げるのかというと

それは、寝ている間に脳や臓器を休ませるためなのです。

眠たい人の手足が温かいのはそのためで、

手足から熱放散を行い、深部体温を下げることで、眠りにつかせようとしているのです。

ここからは、具体的にどのようにすれば、体温を管理して入眠しやすくするのかについて説明していきます。

睡眠90分前の入浴

入浴を睡眠する90分前にすませておくと、眠りにつきやすくなります。

研究では、40℃のお風呂に15分間入ると、深部体温が0.5℃上がるということが確認されています。

人間の体にはホメオスタシス(恒常性)といって、体温を一定に保とうとする力があるので

体は入浴により一時的に上がった深部体温を急激にさげようとします。

この上がった0.5℃が元に戻るのに90分かかるのですが、このタイミングで寝床に入っていると

皮膚温度と深部体温の差が縮まり、スムーズに入眠できるようになるのです。

時間がないとき

でも、「忙しくて寝る前に90分も時間が取れない」という方や、「15分も湯船に浸かる時間が無い」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな時はシャワーか足湯をおすすめします。

シャワーなら、深部体温を0.5℃も上げることがないので、熱放散をして元の深部体温に戻るのに90分もかかりません。

なので、時間がないときはシャワーがおすすめです。

また、深部体温と皮膚温度の差が縮まると、眠くなるということを説明しました。

そこで、足湯をすると足の血流が良くなって、熱放散が効率良く行われるようになるので、皮膚温度が上がります。

すると、深部体温と皮膚温度の差が縮まって、これまた眠りにつきやすくなるのです。

時間がない方はぜひ試してみてください。

寝床の室温の管理

また、最初の90分間の睡眠の質を良くするためには、寝床の室温も整えることをおすすめします。

温度が高いと、湿度も高い場合が多いですが、湿度が高いと汗をかかなくなり、熱放散が妨げられます。

熱放散がうまくできなくなり、体内に熱がこもってしまう「うつ熱」になると、眠りを妨げられます。

そして、「うつ熱」には、通気性の良い寝間着や寝具に変えるより、室温や湿度を整えることの方が影響が大きいのです。

入眠前に脳を休ませる

ビジネスパーソンなど、ストレスや緊張感のある生活をされている方は脳が興奮状態にあります。

そして、脳が興奮状態にあると深部体温が下がりにくいのです。

深部体温が下がらないと、眠りにつきにくいということはさきほど説明しました。

そのため、良質な睡眠をとるためには寝る前に頭を使わないようにした方が良いのです。

仕事の後、興奮して眠りにつきにくかったという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

それは脳の興奮により、深部体温がうまく下がらなかったからなのです。

ここからは、興奮した脳を鎮める具体的な方法についてご紹介します。

単調なものに触れる

単調で退屈なものは、脳の興奮を鎮めさせ、睡眠を促します。

例えば車で高速道路を走っているとき、眠気に襲われた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

あれは、風景が変わらないために脳が考えることをやめるので、眠気に襲われるのです。

そのため、寝る前はスムーズに入眠するために、できるだけ単調で退屈なものでリラックスをする方がいいのです。

例えば、読書をするのでも、ミステリーなど先が気になるものではなく、退屈な本などを選ぶ方が

寝る前には良いのです。

Sheepを数える

「羊を数えたら眠れる」というのは聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。

「羊が一匹、羊が二匹、、、」というあれです。

実はこれは、英語で「Sheep(羊)」が「sleep(睡眠)」に響きが似ており、眠りを誘うということからだといわれています。

つまり、正しいやり方は「Sheep、Sheep、、、」と唱え続ける方法なのです。

一度試してみてくださいね。

日中に良い覚醒を保つ

さらに、日中に良い覚醒を保つことは、良い睡眠につながります。

ここからは日中に良い覚醒を保つ方法について紹介していきます。

朝に光を浴びる

朝の光は脳を活性化させ覚醒を促します。

眠りを促す神経伝達物質の一つにメラトニンというものがあります。

朝、光を浴びることで、このメラトニンの分泌を抑え、覚醒を促すことができるのです。

また、寝る前は避けた方がいいと言わているブルーライトですが

ブルーライトもメラトニンの分泌を抑えるため覚醒を促します。

ぜひ、朝は光を浴びるようにしてください

起きがけを裸足ですごす

起きてすぐは、裸足で過ごした方が覚醒が促されます。

その理由は

  • 足の感覚が刺激され脳が活性化する
  • 裸足でいると皮膚温度が下がり、深部体温との差が広がる

からです。

深部体温と皮膚温度の差が縮まると眠たくなることは説明しました。

これはその逆を利用していて、深部体温と皮膚温度の差が広がれば広がるほど、覚醒が促されるのです。

ぜひ、朝は裸足で過ごしましょう。

夜になるにつれて頭を使わない仕事にシフトする

意思決定など頭を使う仕事は、朝など早い時間帯に済ませてやる方がいいです。

そして、夜になるにつれて頭をあまり使わなくていい仕事にシフトしていきましょう。

理由は、寝る前は、頭を興奮させない方が眠りにつきやすいという説明をした通りです。

寝る前にSNSのメッセージや、メールを見てしまって寝れなくなったという経験があなたにもあるはずです。

頭を使う仕事はできるだけ早めに終わらせてしまいましょう

すっきり起きられるアラームのセット方法

朝すっきり起きられないという方にぜひ試してもらいたいアラームの設定方法があります。

それは、朝起きなければいけない時間と、その20分前という二つのアラームをセットする方法です。

こうすることで、条件によって多少変わりますが、すっきり起きられるレム睡眠時に起きれる確率が1.5倍になります。

ポイントは20分前のアラームは小さい音にしておくことです。

もし、20分前の時点でレム睡眠だった場合は、小さい音でも起きられます。

20分前のアラームの時点でノンレム睡眠だった場合は、20分後にはレム睡眠になっているので、これまたすっきり起きられるというわけです。

まとめ

いかがだったでしょうか、今回は短い時間でも質の良い睡眠を取る方法についてご紹介しました。

今回の記事をまとめると

睡眠の質を決めるのは

寝てすぐの90分間のノンレム睡眠の質

なぜなら、

  • 最初の90分間以降はそれ以上深く眠れない
  • 最初の90分間に眠気の原因(睡眠圧)のほとんどが解消す

であり、

入眠最初の90分間の質を高めるには

  • 入眠前に深部体温を下げるまたは皮膚温度を上げる
  • 日中の良い覚醒を保つ

なぜなら、

  • 深部体温と皮膚温度の差を縮めると、眠りにつきやすくなる
  • 良い覚醒は良い睡眠を促す

ということを説明しました。

そして、その具体的な方法として、

をご紹介させていただきました。

寝てすぐの90分間で、睡眠の質が決まるなんて考えてもみませんでした。

また、今回参考にさせていただいた、『スタンフォード式 最高の睡眠』では

日中の眠気を克服する方法

睡眠に関するうわさと実際の研究結果の比較を行っていたりと

とにかく、ためになる内容が盛りだくさんです。

睡眠を改善してパフォーマンスを上げたいという方はぜひ一読ください。

ここまで、ご覧いただきありがとうございました。

参考文献

西野精治, 2017,『スタンフォード式 最高の睡眠 』,サンマーク出版

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