脂肪がとれなくて大変と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
肥満になって自分に自信が持てなくなると、人生の満足度も低下してしまいます。
実はそうした肥満は感染症の一種かもしれないということが最新の研究からわかっています。
今回は肥満に関する研究をもとに
- 肥満と感染症の関係
についてご紹介します。
この記事を読んで、肥満とおさらばしましょう。
肥満は感染症の一種?
肥満は伝染病のように広がりを見せています。
1950年代のアメリカの調査では、成人の13%が肥満だったのに対し、1999年には倍以上の30%。
イギリスでは1966年には1.6%だったのが、1999年では24%にまで増加しました。
このように世界的に広がりを見せる肥満ですが、定説ではその原因は、摂取カロリーが多く、消費カロリーが少ないためだと思われています。
しかし、実は多くの研究から、人間の肥満の原因は食べる量や運動量の低下ではないことが分かっているのです。
食事で摂取する余分なカロリー量で増加する体重を計算することはできますが、その計算通りに行くことはありません。
例えば、一卵性の双子12組に対して行われた実験では、84日の間一日1000キロカロリー余分に多く食べてもらいました。
計算では、全員11㎏程度増えるはずですが、結果は4.3㎏~13.3㎏とばらつきが出たのです。
これは、肥満の問題は摂取カロリーを抑えればなくなるというような単純なものではないことを示しています。
肥満が人から人へと移っている?
また、1万2千人の体重と対人関係を分析した調査では、個人の体重増加はその家族や親友の体重増加と強い相関関係があることが分かっています。
するどい人は、家族や親友とは食生活や生活習慣が同じだからではないかと思われるかもしれません。
しかし、この関係は一緒に住んでいない兄弟間でも見られたのです。
このように、体重増加は確かに何か伝染しているように見えます。
では遺伝子による可能性はないでしょうか。
2010年に行われた大規模な調査では、体重増加に関連していると思われる遺伝子の影響を最も受けている人と、最も受けていない人の差は、平均してたったの8㎏であることが分かっています。
このように遺伝子によって肥満を説明できる割合はとても低いのです。
インドの医師が発見した肥満と腸の関係
ではどのようにして肥満は感染っているのでしょうか
その理由の一つとしてインドで肥満について研究していたドゥランダハル氏はウイルス感染によるものではないかという可能性を発見しました。
ドゥランダハル氏は当時インドのニワトリの間で流行っていたあるウイルスを奇妙に思います。
なぜなら、通常ウイルスに感染して死んだニワトリはやせ細っているのですが、そのウイルスに感染したニワトリは肝臓が肥大化し、大量の脂肪がついていたのです。
実際にそのウイルスを用いて実験したところ、ウイルスに感染してから3週間後のニワトリは、通常のニワトリと比べて太っていたのです。
彼は、人間の間で増加している肥満の原因も、このウイルスの感染によるものかもしれないと思い、人間に対しても研究しました。
すると、対象となったムンバイに住む52人のうち最も肥満度の高い10人が過去にこのウイルスに感染していたことが分かったのです。
彼はその後、ウイルス感染と肥満の関係を探るためアメリカへ渡ります。
しかし、研究のためにインドのウイルスを持ってくることができず、彼は作用がよく似ているアデノウイルスで研究することにしました。
アデノウイルスをニワトリに感染させた実験では、インドでのウイルスと同じように肥満が確認されました。
そこで、ドゥランダハル氏は人間の血液を調べたところ
- 肥満者の30%が過去にアデノウイルスに感染したことがある
- 肥満でない人では11%のみ
であったことが分かりました。
このようにして肥満の原因は感染症の一種である可能性が発見されたのです。
ウイルスによって肥満になってしまうしくみ
では、どうしてウイルスによって肥満になってしまうのでしょうか。
その理由について説明します。
通常、食事などによって得たエネルギーの内の余ったエネルギーが、細胞に脂肪として吸収されます。
しかし、アデノウイルスのような肥満を引き起こすウイルスに感染すると、エネルギーが余っていなくても、エネルギーを脂肪として吸収するように仕向けられてしまうのです。
つまりこのウイルスによって、脂肪の吸収が増加してしまうのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は肥満と感染症の関係についてご紹介しました。
なんとウイルスによる感染症によって肥満になるなんて驚きですね。
今回の話は下の本に詳しく載っていますので宜しければご参照ください。
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