エフォートレス思考 自然に結果が出るエフォートレスのしくみ化とは

white dry erase board with red diagram 能力開発
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前回に引き続き、今回もグレッグ・マキューン氏の「エフォートレス思考」について解説していきます。

このシリーズでは、努力してもなかなか結果が出ないという方のために、最小限の努力で成果を最大化するための方法をご紹介しています。

前回は最小限の努力を成果に結びつけるというエフォートレスな行動について解説しました。

今回は自動的に結果が出るようにするためのエフォートレスのしくみ化について解説していきます。

エフォートレスのしくみ化とは

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まず、エフォートレス思考についておさらいします。

エフォートレス思考とは、ビジネス戦略家のグレッグマキューン氏が編み出した、最小限の努力で最大限の成果を得られるようにする思考法のことです。

そして、エフォートレス思考には以下のような3つのステップがあります。

エフォートレス思考の3ステップ

  • エフォートレスな精神

「どうすれば同じことをもっと楽にできる?」だったり、「この努力、成果に関係ある?」だったりを問い続ける姿勢のこと。

  • エフォートレスな行動

楽に最初の一歩を踏み出したり、自分のペースで進むんだり、小さな努力で成果に結び付けようという行動のこと

  • エフォートレスのしくみ化

余分な努力をしなくても結果が自然に出せるような仕組みを作ること

今回紹介するエフォートレスのしくみ化はエフォートレス思考の3つのステップのうち最後のステップになります。

エフォートレスのしくみ化とは余分な努力をしなくても結果が自然に出せるような仕組みを作ることで、

それは、努力によって得た成果を、新たな次の成果に結びつける仕組みをつくることとも言い換えられます。

そのことを著者は累積的な努力をし、直線的な努力を避けると表現します。

累積的な努力の例

  • 数学の基礎を学ぶ
  • 読書をする

直線的な努力の例

  • 一夜漬け
  • 断片的な知識の勉強

累積的な努力とは、例えば、数学のある分野の基礎を学ぶことによって、他の分野にも応用できるようになることを指します。

対して、直線的な努力とは、一夜漬けの勉強のようにテスト当日だけ結果が出て、次につながらないような努力のことです。

エフォートレスのしくみ化では累積的な努力を続けることで結果がまた次の結果を自動に生めるようなしくみを作ることを目指します。

エフォートレスのしくみ化の方法

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原理原則を学ぶ

エフォートレスのしくみ化の1つ目の方法は「原理原則を学ぶ」です。

原理原則を学ぶと、幅広い問題に応用できる知識が身につくからです。

例えば、マーケティングの原則を学んだとします。

するとほかの企業に転職したり、起業する際にその知識が使えるのです。

対して、部分的な知識を学ぶだけだと、多くの場合その知識は一度だけしか使えません。

面白いニュース記事を読んでも、数時間後には忘れてしまうのです。

さらに、原理原則などの基礎をしっかり学ぶと、関連したほかの知識を身に付けやすくなります。

なぜなら、人間の脳はもともと持っている知識と結びつけられる知識を覚えやすいからです。

記憶については過去に書いた下の記事をご覧ください。

そして、原理原則を学ぶ上で、おすすめなのが読書です。

特に古典は、昔から現在まで廃れずに残ってきた、普遍的な知恵がのっている可能性が高いです。

お勧めの古典

努力を最小限にして成果を最大限にしたいなら、ぜひ原理原則を意識して学ぶようにしてください。

他人に教える

エフォートレスのしくみ化の2つ目の方法は「他人に教える」です。

例えば会社であれば部下や同僚に教えることによって、自分がやらなくても良くなります

また、教えることが自分の学習にもつながります。

人に教えることで、自分の分かっていないところが明らかになったり、学習した内容がより記憶に定着しやすくなるのです。

自動化する

重要なことを自動化することもエフォートレスのしくみ化の一つです。

重要なことは自動化してしまうことで、時間や脳に余裕ができミスも減ります。

自動化の実践方法としてはチェックリストを作ることが挙げられます。

チェックリストを作る

チェックリストを作ることの効果を示す良い例があります。

2008年以前、アメリカでは中心静脈カテーテル感染という感染が問題となっていました。

これは、点滴のために中心静脈にカテーテルを挿入した際に起こる感染で、

これにより、アメリカ国内で年間3~6万人の患者が死亡していました。

医学部教授のプロノボストはこの感染を重大な問題としてとらえ、

この感染の原因をカテーテル挿入後に医師や看護師がマスクや滅菌ガウンを着けずに患者と接していることだと突き止めます。

そして、その対策として、5ステップの「チェックリスト」を作成しました。

すると、なんと感染率が11%から0%に下がったのです。

このように、ただチェックリストを導入するだけで、重要なことを忘れずに行えるようになるのです。

if-thenプランニングを使う

次に個人的におすすめなのがif-thenプランニングを使うことです。

if-thenプランニングとは、「もし(if)○○だったら、(then)○○する」という形に計画を作っていく方法で

例えば、「朝起きたら歯を磨く」などがこれにあたります。

そして、このif-thenプランニングを使うと、実際に計画を実行する確率が上がることが研究で確認されているのです。

人生の50%は、習慣からできているといわれています。

if-thenプランニングで習慣を身に付けることで人生の半分を変えられるかもしれません。

やめたいことは手間を多くするor他にすることを決めておく

逆にやめたい習慣がある場合は、その習慣をするための手間をできる限り多く増やしましょう。

例えば、無意識にスマホを触ってしまう場合は、スマホを別室に置いておいて、取りに行くのがめんどくさくなるようにするなどが挙げられます。

他にも、何か別のことを代わりにする習慣をつけるのも良いでしょう。

例えばタバコをやめたいのに吸ってしまうときに、代わりにガムを噛むようにするなどです。

このように、日々の行動の自動化をうまくできるようにれば、成果も自動に出せるようになってくるのです。

信頼関係を築く

信頼関係を築いておくことはエフォートレスのしくみ化にとても重要です。

なぜなら、信頼関係が無いと余計なコストがかかってしまうからです。

例えば、契約をする相手との信頼関係を築いていれば、契約書を隅々まで確認する必要がありません。

さらに、信頼関係を築いていると、職場での仕事の分担やコミュニケーションがスムーズにいき、仕事に集中できるようになります。

信頼関係が無いと、お互いの利害が対立してチームでの仕事がうまく進まなくなってしまうのです。

ここからは具体的に信頼関係を築くための方法を紹介していきます。

ウォーレンバフェットの3つのIを基準に関係を築く

世界最強の投資家であるウォーレン・バフェットさんは、従業員やビジネスパートナーを選ぶ際に信頼できるかどうかを3つの基準で測ります。

それは

  • 誠実さ(Integrity)
  • 知性(intelligence)
  • 自発性(initiative)

という3つで、彼はこれらすべてを満たした人としかビジネスでの関係を築かないそうです。

もともと信頼関係を築ける素質を持った人と関係を築くのが大切なのですね。

お互いの利害が一致する目標を持つこと

続いてはお互いの利害が一致する目標を持つことです。

すると、最大の利益を手にするにはお互いが協力するしかなくなり、信頼関係を築きやすくなるのです。

これがもし、どちらかが得をすればもう一方は損するというような仕組みではなくなります。

すると、いずれどちらか一方に不公平が生じ関係は悪化します。

このように、お互いの利害が一致する目標を持つだけで、信頼関係を築きやすくなるのです。

重要な問題を予防する

エフォートレスのしくみ化最後の方法は「重要な問題を予防する」です。

ちょっとしたことをさぼったせいで、後で大きな失敗につながり「あの時やっておけばよかった」と後悔した経験がありませんか。

最初は小さなことでも、ほっておくと大きな問題につながり対処できなくなってしまいます。

つまり、問題は小さなうちに対処する方が効率的なのです。

下では予防する方法についてご紹介していきます。

時間管理のロングテール

エフォートレスの著者は問題を予防する方法として、「時間管理のロングテール」という方法を紹介しています。

ロングテールとは、あまり売れないニッチな商品が、あまりに数が多いためにベストセラーの商品の売り上げを抜いてしまうというビジネス用語です。

ここでは、見逃しがちなちょっとした問題をロングテールに例えています。

つまり、ちょっとした問題を解決することで、その問題によって生まれていたであろうイライラ感などの不利益を長期間にわたって受けなくて済むようにするということです。

具体的な手順は以下を自問自答します。

  1. 自分を何度もイライラさせるものは何か?
  2. その問題を放置した場合の年間コストはいくらか
  3. それを解決するために、数分でできるステップは何か

こうすることで、最小限の努力で、将来にわたるイライラを減らすことができるようになるのです。

問題の根本的原因を解決する

問題の根本的原因を解決することも重要です。

起きた問題にその場だけうまくいくような対処法では、同じ問題が繰り返し起こってしまう可能性があります。

例えば、慢性的な胃腸の不調を抱えているとしましょう。

胃腸の不調を感じるたびに胃腸薬を飲んでいたら、薬が効いている間は良くなったとしても、薬の効果が切れればまた同じ症状が出てきてしまいます。

そして、放置しておくとがんなどの大きな病気につながる恐れもあります。

そのため、根本的原因を解決することが重要なのです。

会社でのストレスなのか、食生活なのかといった根本となる原因を見つけ出し、変えていく必要があるのです。

まとめ

今回はエフォートレス思考の、エフォートレスのしくみ化について解説させていただきました。

おさらいすると

エフォートレスの仕組み化とは

  • 余分な努力をしなくても結果が自然に出せるような仕組みを作ること
  • 努力によって得た成果を、新たな次の成果に結びつける仕組みをつくること

そして、エフォートレスのしくみ化の実践的な方法は

原理原則を学ぶ 

幅広い問題に応用できる知識が身につく

  • 古典の読書

他人におしえる 

他人にやってもらえるようになる、自分の学習にもつながる

自動化する 

時間や脳に余裕ができ、ミスも減る

  • チェックリストを作る
  • if-thenプランニングを使う
  • やめたいことは手間を多くするor他にすることを決めておく

信頼関係を築いておく

余計なコストがかからなくなるチームでの仕事がスムーズに進む

  • ウォーレンバフェットの3つのI

    誠実、知性、自発性を持った人と関わるようにする

  • お互いの利害が一致する目標を持つ

重要な問題を予防する 

問題は小さいうちに対処するほうが効率的

  • 時間管理のロングテール
  • 問題の根本的原因を解決する

ということを説明させていただきました。

今回で最後となりますが、エフォートレス思考は改めて勉強になりました。

今回の記事が、あなたの効率的な成果アップにつながれば幸いです。

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