頑張っているのになかなか成果が出ないという方のために
前回は、『エフォートレス思考』のエフォートレスな精神の実践方法をご紹介しました。
今回はエフォートレスな行動の実践的な方法についてご紹介していこうと思います。
エフォートレスな行動とは
まずエフォートレス思考の軽いおさらいです。
エフォートレス思考には3つのステップがありました。
それらは簡単に言うと
- エフォートレスな精神
「どうすれば同じことをもっと楽にできる?」だったり、「この努力、成果に関係ある?」だったりを問い続ける姿勢のこと。
- エフォートレスな行動
楽に最初の一歩を踏み出したり、自分のペースで進むんだり、小さな努力で成果に結び付けようという行動のこと
- エフォートレスのしくみ化
余分な努力をしなくても結果が自然に出せるような仕組みを作ること
ということをご紹介しました。
前回はこの中のエフォートレスな精神を取り上げ、楽に同じ成果を出す方法についてご紹介しました。
今回は2つ目のエフォートレスな行動に焦点を合わせてご紹介していきます。
エフォートレスな行動を目指す理由は、成果はある一定の努力量を超えると、成果はだんだん減っていくからです。(経済学でいう収穫逓減の法則)
なので、頑張りすぎるのではなくて、成果が出るところまで頑張るのが一番効率が良いのです。
こうした、エフォートレスな行動は
- 目標を明確にする
- 始めやすくする
- 行動を単純化する
- 前進する
- ペースを維持する
という5つによって実現します。
それぞれの実践方法についてご紹介していきます。
エフォートレスな行動の実践方法
目標を明確にする
エフォートレスな行動には明確な目標が不可欠です。
明確なゴールのない目標は、途中であきらめてしまうか、達成できません。
例えばゴールのないマラソンを走ることを思い浮かべてみてください。
マラソンを走っていて、今まで自分がゴールに対してどれだけ走ったのか、どこに向かえばいいのかも分からない。
こんな状態では、走る気もなくなりますよね。
つまり明確な目標が無い状態では、動き出すモチベーションが上がらないのです。
なので、まずは明確な目標を設定することが必要です。
こうした明確な目標を設定するためには、個人的には、SMARTな目標設定が良いと思います。
SMARTな目標設定をする
SMARTとは、ダイエットを例にとると
- Specific (具体的)
目標が具体的である 例 体重を2㎏落とす
- Measureble(測定可能)
目標を数値で把握できる 例 2㎏痩せる
- Achivable(達成可能)
目標が達成可能である 例 前月は2㎏痩せられたので、今月も2㎏痩せる
- Related(価値観に合う)
その目標を達成することが自分の価値観にあっている 例 健康的でいたいから痩せる
- Time-bound(時間制約のある)
目標を達成するまでの期間を設定する 例 今月1か月間で
という5つの頭文字を取った目標設定方法で、目標をより明確化することができます。
こうした明確な目標設定をすることで、自分は何をするべきか、または何をしないべきかが明確になるので、目標に対する集中力や実行力が上がるのです。
今日の完了リストをつくる
また、明確な目標設定の方法として、『エフォートレス思考』の著者は今日の完了リストを作ることをおすすめしています。
これはTo Doリストとは違い、リストに書くのは「今日できたらいいこと」でも、「できるかもしれないこと」でもありません。
その判断基準は、「そのリストを完了したら1日を気持ちよく終えられるか」です。
例えば、そのリストを終えても、まだやり残したことがあるというのでは不十分です。
満足感をもって眠れるようになるのでぜひ試してみてください。
ただし、リストに入れるのは1日で終わる量にしてくださいね。
始めやすくする
エフォートレスな行動で次に重要なのが始めやすくすることです。
やりたいことはあるのに、なかなか行動に移せないというのは、エフォートレスな行動ではないのです。
最初の目標を小さく分解して始めやすくする
具体的には、最初の目標を小さく分解してとっつきやすくするのです。
例えば、筋肉をつけることを目標に、週3日ジムで筋トレをすることを決めたとします。
その際には、まずジムに行くことを目標にするのです。
ジムに行ってしまえば、せっかく来たのにそのまま帰るのもなあという感じで始めやすくなります。
また、そのような小さなことを習慣化して積み重ねれば、それよりも大変なことも習慣化できるようになります。
例えば、ジムに行く習慣をつける→ジムで筋トレをする習慣をつける→ジムで、よりきついメニューをこなす習慣をつける
といったように。
このようにエフォートレスな行動では、最初の一歩をできるだけ分解して始めやすくすることが重要なのです。
行動を単純化する
エフォートレスな行動に必要な続いての要素は、起こすべき行動を単純化することです。
起こすべき行動を単純化することで、価値の出ない行動を減らして、価値を生み出せる行動に集中できるようになります。
具体的には
- やるべきことの手順を最大限まで減らす
- やらないことを最大限まで減らす
という2つです。
やるべきことの手順を最大限まで減らす
やるべきことの手順を最大限まで減らすことで、より行動を起こしやすくなります。
なぜなら、やるべきことが多すぎると圧倒されて、行動を起こしにくくなるからです。
例えば、家電製品を買ったときに、説明書に何文にもわたって設定方法が書かれていたらどうでしょうか。
うんざりしてやる気がなくなりますよね。(笑)
このように、エフォートレスな行動を起こすにはやるべきことの手順を最大限まで減らす必要があるのです。
具体的には「完了するのに必要最低限のステップは何か」と自分に問うことが紹介されています
やらないことを最大限まで増やす
また、やらないことを最大限まで減らすというのもエフォートレスな行動には必要です。
上に書いたやるべきことの手順を最大限まで減らすというのと本質は同じことを言っています。
先ほどは本当にやるべきことを探すというアプローチでしたが、こちらはやらなくていいことを探すアプローチです。
時間や、体力、資源は限られていますので、できる限り、無駄なものは減らしておくのが良いのです。
例えば、日常でスマホをいじる時間を減らして、仕事に関わる読書をするようにすれば新しい知識を得ることができます。
このように、日常でやらないことを増やせば、価値を生み出す行動にもっと時間や体力を使えるようになるのです。
前進する
エフォートレスな行動に次に必要なことは前進することです。
前進するためには、致命的でない失敗をたくさんして成長する必要があります。
具体的には起業を考える際の、MVP(Minimum Viable Product)を作るという考え方が人生にも使えると筆者は語ります。
MVPの考え方を取り入れる
MVPとは、簡単に言うと最低限必要な機能を備えた試作品のことです。
つまり、アイデアの核となるものをまず作って、ユーザーの反応をみることで、改善点を見つけてどんどんアイデアを洗練したり、規模を大きくしていくことができるようになるのです。
例えば、こうしたMVPを使った企業の例としてAirbnbやFacebookがあります。
Airbnbでは個人が所有する使っていない部屋や家を、他人が宿泊できるようなサービスを提供しています。
ですが、このサービスの始まりはなんと、自分たちの空き家の写真を載せただけのサイトを公開したことだったのです。
これが思いの他反響を呼んだことで、本格的なサービスとして運営するようになりました。
また、MVPを作ったとされるもう一つの例はFacebookです。
Facebookは今では有名なSNSですが、最初はハーバード大学の学生間の交流を深める目的で開発されました。
その後、大学内反響があったのでスタンフォード大学などの他大学、そして世界中の人と段階的にサービスを広げるようになったのです。
このように、MVPを作るような形で、自分のアイデアを最小限のコストでまず実行してみる。
そして得たフィードバックをもとにより良いアイデアにしていく。
これによりスムーズに前進することができるのです。
ペースを維持する
エフォートレスな行動に必要なこと。最後は、ペースを維持することです。
ペースを維持していないと、限界を超えて頑張りすぎて、翌日に響いてしまいます。
例えば、1日の限界を超えて仕事をして、体調を崩してしまうなどです。
また、南極点到達を目指したグループが、一日の限界を超えて移動しようとしたために死亡したというケースもあります。
このようにペースを維持することは、楽をしているようで、より大きい成果を得るためにも大事なことなのです。
そして、ペースを維持する方法の一つに、上限と下限を設定するという方法があります。
上限と下限を設定する
一日の目標に上限と下限を設定することで、自分のペースを維持しやすくなります。
たとえば、「本を毎日読む」だったら、「一日最低30分、1時間以上読まない」というふうにです。
下限は自分のできる最低限のラインで、上限は成長はできるけど疲れすぎないという程度に設定します。
下限だけでなく上限を決めることで、途中で辛くてやめてしまったりすることがありません。
なので、最終的には一番大きな成果が得られるのです。
こうした、ペース維持が、エフォートレスな行動に必須なのです。
まとめ
今回はエフォートレスな行動の実践方法についてご紹介させていただきました。
まとめるとエフォートレスな行動とは最小限の努力で成果に結びつけようという行動であり
その理由として、限界を超えて頑張り続けてもだんだん成果が出なくなってきてしまうからだということを説明しました。
また、そうしたエフォートレスな行動の実践方法として
目標を明確にする
- SMARTな目標を立てる
- 今日の完了リストを作る
始めやすくする
- 最初の目標を小さく分解して始めやすくする。
行動を単純化する
- やるべきことの手順を最大限まで減らす
完了するのに必要最低限のステップは何かと自問する
- やらないことを最大限まで減らす
前進する
- MVPの考え方を取り入れる
ペースを維持する
- 自分のやるべきことの上限と下限を設定する
ということをご紹介させていただきました。
個人的には、努力は良いものだっていう教育を受けてきたので、ペースを維持するというところで疲れすぎないまででやめてしまうというのはいくらか気持ち悪く感じますね。
と同時に、部活動で練習のしすぎで怪我をしたことを思い出して
そこで練習できなくなって、最終的な結果もだせなかったことがあったので、エフォートレスな行動ができていれば変わっていたのかなとも思います。
皆さんも、どうか体には気を付けて、自分のペースで頑張ってほしいなと思います。
次回はエフォートレスな仕組み化について書きたいと思います。
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