起業がしたいけれど、
- 自分のアイデアがこれでいいのか自信が無い
- どんな行動を取ればいいのか分からない
そんなお悩みを持っていませんか
今回はスタートアップでの起業を考えている皆さんが、
- 起業アイデアを練る際に必要なこと
- 起業する際に必要な思考・行動
について、田所雅之さん著の『起業の科学』を参考にしつつお話ししていきます。
この記事を読めば自分のアイデアに自信をもって、起業に取り組めるようになります。
起業アイデアを練る際に必要なこと
起業をする際はこのアイデアでいいんだろうかと不安になりますよね。
この章では起業アイデアを練る際に必要なことを紹介していきます。
アイデアの課題の質を高める
まず前提として、起業をするということは、お客さんの抱える課題を、自社が作る商品やサービスによって解決してもらうということを意味します。
そのため、起業アイデアを練る際は、お客さんが抱える課題の質をとことんまで高める必要があるのです。
課題の質をしっかり検証する前に、技術による解決策だけを追い求めてしまうと失敗してしまいます。
例えば、2013年にGoogleは、スマートグラスと呼ばれるデバイスを発表しました。
これは、様々な機能を持った眼鏡型のデバイスでしたが、価格が1500ドル(当時約15万円)と一般にとっては高価だったことや小型カメラの搭載によるプライバシーの問題を抱えていました。
それにより、販売から約3年後の2015年には、一般向けの販売停止に至ってしまったのです。
このように、顧客の持つ課題の質を高める前に製品を出すと、顧客から求められていないので、Googleのような大企業でも失敗してしまうのです。
アイデアの課題が自分事である
次に検討するべきなのは、「アイデアが解決する課題が自分事であるか」ということです。
なぜ課題が自分事でないといけないのでしょうか。
その理由は主に2つあり、それらは
・課題が自分事でないと途中で投げ出してしまいやすい
・資金や、一緒に起業メンバーを集めることが難しい
です。
以下でそれぞれについて解説していきます。
途中で投げ出してしまいやすい理由
課題が自分事でないと、途中で投げ出しやすくなってしまいます。
そもそも、スタートアップ起業では、最初の計画通りに行くことは、市場への深い知識か、よほどの経験が無い限り基本的にはありません。
なぜなら、スタートアップ起業では、まだ誰も見つけていない、もしくは誰も取れていない市場を取る必要があるからです。
なので、思い通りにいかないことが続き、メンタルがズタボロになります。
しかし、それでも続けなければ、成功はありません。
ここで、起業アイデアが自分事ではない、他人の課題だと、「自分は困らないし、別にいいや」という甘い考えに至り、投げ出してしまう可能性が高いのです。
資金や、起業メンバーを集めるのが難しい理由
課題が自分ごとでないと、投資家からの資金提供を受けたり、起業メンバーを集めることが難しくなります。
なぜなら、自分事の課題でないと、自分が持つ「こうした課題を解決したい」というビジョンに説得力が出ず、投資家やメンバーの共感が得にくくなってしまうからです。
例えば、昔から親から虐待を受けていた人と、虐待を受けたことのない人の2人がいたとします。
そして、この2人が両方とも「児童を虐待から保護するための新たな事業をしたい」と言った場合、あなたはどちらを応援したいと思うでしょうか。
間違いなく前者ですよね。
以上のように、起業アイデアが自分事でない課題の場合は資金や企業メンバーを集めるのが難しくなってしまうのです。
スタートアップ起業でとるべき行動・思考
では、スタートアップとして起業する際に、持っておくべき思考や、するべき行動は何でしょうか?
それは、主に4つで
- 余計な手間を省くため計画は試行錯誤を前提にする
- 競争を避けるため一部の熱狂的なファンの獲得を目指す
- 市場の獲得のため顧客の課題解決に集中する
です。
以下ではそれぞれについて解説していきます。
余計な手間を省くため計画は試行錯誤を前提にする
スタートアップで起業する際にまず持っておいてほしいのが試行錯誤が前提という思考です。
これは、大きく分けて2つの意味で必要です。
一つは、先ほど説明したメンタルを保つためです。
もう一つは、試行錯誤を前提にしていると、顧客の反応を見てすぐに事業の計画を変更できるからです。
例えば、市場を獲得する前に自分の考えるアイデアに沿って、事業の内容、起業メンバー、資金繰りの方法など計画を固めてしまうとします。
すると、顧客の反応が思ったほどなく、計画を変更しなければならないというときに、余計な手間やコストがかかってしまうのです。
また、顧客を獲得するには顧客の意見を反映させながら製品を作っていく必要があります。
なので、試行錯誤をする前提を持たずに計画を固めてしまうのは、端的に言って無駄なのです。
競争を避け一部の熱狂的なファンの獲得を目指す
次に気を付けてほしいのが、一部の熱狂的なファンの獲得を目指すということです。
幅広い顧客を得ようとすると、大企業と競争することになってしまいます。
なぜなら、幅広い顧客を獲得できる商品というのは、見える化(顕在化)された課題に対する効果的な解決策である場合が多いからです。
つまり、多くの人が気づいている課題だからこそ、幅広く人に求められるのです。
そのような競争においては、資金や使える資源の限られているスタートアップでは残念ながら及びません。
そのため、解決策を提示されて初めて、顧客自身が抱えている課題に気づくような商品やサービスを作り出す必要があるのです。
このように、スタートアップでは一部の熱狂的なファンの獲得を目指す必要があります。
市場の獲得のため顧客の課題解決にフォーカスする
最後は顧客の課題解決にフォーカスするです。
なぜなら、市場を確保するには顧客の一番の課題を解決することが一番重要だからです。
例えば、スマホでデザインはかっこいいけど、使えるアプリの種類が少なくまともに使えない商品をだしたとします。
多くの人がスマホに求めるのは、豊富なアプリの使用ができることであって、デザインだけかっこよくても意味がないですよね。
このように、顧客を獲得し市場を確保する前は
顧客のフィードバックをもとに取り入れていく場合以外は、使いやすい機能やデザインにこだわったり、AIの導入による効率化を考えるよりも
「顧客の一番の痛みは何で、それをどうやったら解決できるのか」に集中して、顧客からのフィードバックを参考にしながら、試行錯誤していく必要があるのです。
まとめ
今回は
- 起業アイデアを練る際に必要なこと
- 起業する際に必要な思考・行動
について解説させていただきました。
まとめると、
企業アイデアを練る際は
- 顧客から求められるためにアイデアの課題の質を高めること
- 簡単に諦めず、資金や仲間を得るためにはアイデアの課題が自分事である
ことが必要であり、
起業する際に必要な思考・行動として
- 無駄なコストを省くために、試行錯誤を前提にする
- 競争を避け一部の熱狂的なファンの獲得を目指す
- 市場の獲得のため顧客の課題解決にフォーカスする
ということを説明させていただきました。
今回参考にさせていただいた『起業の科学』では、起業アイデアを磨くための具体的な方法についても解説されています。
とても参考になりますので、よろしければぜひご覧ください。
参考文献
田所 雅之,『起業の科学』,2017,日経BP
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