最近仕事でうっかりミスが増えたり、思った結果が出ないなと思うことはありませんか?
もしかしたらそれはワーキングメモリの能力の低下が原因かもしれません。
今回はそんなワーキングメモリが低い人の特徴とその原因さらには鍛え方まで、論文や書籍から得た知識をもとにご紹介させていただきます。
今回ご紹介する気を付けるべきポイントやトレーニングをすれば仕事の効率アップ間違いなしです!
ワーキングメモリが低い人の特徴

ワーキングメモリが低い人の特徴は何なのでしょうか?
代表的なものとして以下の3つがあります。
- ワーキングメモリが依存しやすい方向に働いている
- 情報の波に呑まれている
- うっかりミスが多い
ワーキングメモリが依存しやすい方向に働いている

ワーキングメモリが弱っている人は依存症を加速させてしまっている可能性があります。
なぜなら、依存性の高い快楽を伴う行動を常にとっていると、ワーキングメモリが欲望に勝とうとするのではなく、その快楽への欲望を満たそうと働くように変化してしまうからです。
例えばゲームに依存している人は、ゲームをするようにワーキングメモリが働くということです。
恐ろしいですね。
情報処理が苦手になる
ワーキングメモリが機能していないと情報の処理が苦手になります。
なぜならワーキングメモリは情報を一時的に保存し、整理する役目を持っているからです。
例えば、読書をしていて今何を読んでいたか忘れてしまうことがありませんか?
ワーキングメモリが弱いと情報を一時的に保存することが難しくなり、情報を処理するのが苦手になるのです。
うっかりミスが多い
また、ワーキングメモリのパフォーマンスが低下するとうっかりミスも増えます。
それは正常な人より一時的に記憶できる量が限られてしまうからです。
仕事などでやるべき行程を確認するのを忘れて大惨事になったりします。
このようにワーキングメモリが弱ると一時的な記憶能力が下がりうっかりミスが起きるのです。

ワーキングメモリが低くなる原因4つ

次にワーキングメモリが低くなってしまう原因やシチュエーションをご紹介していきます。
原因としてよく言われるのは以下の5つです。
- ストレスを感じている
- 喫煙、ゲームといった快楽に依存してしまっている
- 睡眠不足である
- 頭を使っていない
ストレスを感じている
慢性的な痛みなどのストレスを感じていると、あなたのパフォーマンスが落ちます。
ストレスはワーキングメモリに大きな負荷をかけるからです。
痛みにストレスとワーキングメモリの関係についてに面白い研究があります。
マイアミ大学のスティーブン・アンダーソン氏の研究では参加者228人のうち実験の7日間前から痛みを感じていた者は、痛みの強さに応じてワーキングメモリのテストの結果が悪かったそうです。
こうした強い痛みは脳において苦痛や認知を司る場所(左腹内側前頭前野)の活動を増加させることで、間接的にワーキングメモリのパフォーマンスの低下を及ぼしていたようです。
つまりストレスは脳に負荷を与え、ワーキングメモリの低下を引き起こすのです。
喫煙、ゲームといった快楽に依存してしまっている
喫煙、ゲームといった快楽はワーキングメモリから力を奪います。
なぜなら、先でも述べたように、依存性の高い快楽を伴う行動を常にとっていると、その快楽への欲望を満たすためにワーキングメモリが働くように変化してしまうからです。
例えばゲームの誘惑に負けると、もっともっとやりたくなったり、ポルノ動画でもより過激なものを求めてしまうようになります。
なので依存性の高いものを繰り返し行っているとワーキングメモリが弱くなってしまいます。
睡眠不足である
睡眠不足はワーキングメモリの働きを鈍くします。
ワーキングメモリーは脳の記憶を司る海馬という部位から情報を引っ張り出してくる機能を持っていますが、睡眠がしっかりととれていないとこの連携が弱くなるからです。
また睡眠不足とワーキングメモリの関係はシンガポールのデューク国立大学医科大学院の研究で確認されています。
成人グループにネガティブな感情を引き起こす写真と別に写真を見せた後ネガティブな写真を無視して、別の写真を思い出すというワーキングメモリ課題を行ってもらいました。
すると睡眠をたっぷりとった被験者と比べて寝不足の被験者のワーキングメモリ課題の結果が悪かったそうです。
つまり睡眠不足は注意力の低下などワーキングメモリの力を弱めてしまうのです。
頭を使っていない
頭を使わなくなるとワーキングメモリが弱っていきます。
ワーキングメモリは筋肉のようなもので鍛えてあげないと衰えていくようです。
例えば仕事を退職したり勉強しなくなったりして頭を使わないでいるとワーキングメモリは弱くなっていくのです。
次章でワーキングメモリを鍛える方法についてご紹介させていただきますので、ぜひご覧ください
ワーキングメモリを鍛える方法
成功するために大事なワーキングメモリですが、鍛える方法があります。
2つ簡単なものをご紹介します
- デュアルNバック課題をする
- パズルを解く
デュアルNバック課題をする
ワーキングメモリを鍛える方法の一つとして、デュアルNバック課題を行うというのがあります。
デュアルNバック課題?なんだそれと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
デュアルNバック課題とは簡単に言うと、N回前にみたものの記憶と今出ているものを比べて同じものか違うものかを答えるといったような課題です。
言葉では説明が難しいので、無料のブラウザゲームやスマホアプリを一度試してみてください。
ブラウザゲーム&アプリ
ブラウザアプリ
ワーキングメモリを鍛える2(n back task) – FC2
僕が普段使っているアプリです。無料ですが広告があります iPhoneの方はどうぞ
記憶力トレーニングの脳トレゲーム dual n-back
僕は使ったことがありませんがAndroidのplaystoreにもありました。
Dual N-Back
デュアルNバック課題の効果に関する論文
2009年のscience誌に掲載された論文ではこのデュアルNバック課題を5週間にわたる、計14時間のトレーニング(1日20分弱を5週間)によって、皮質におけるドーパミン受容体D1の密度の変化が観察されたそうです。
このドーパミン受容体D1は報酬系、運動活動、記憶、学習といった様々なことに深くかかわっているため、Nバック課題を行うことによって脳が鍛えられたということができます。
数独(ナンプレ)を解く

数独がワーキングメモリを鍛える可能性があります。
ニューヨーク州立大学のジェレミー・グラーベが行った研究によると数独の成績とワーキングメモリ課題の成績は強い相関があることがわかっています。
最初に可能性といったのは、この研究ではワーキングメモリの能力が高い人が数独がうまかっただけの可能性があるからです。
しかし、デュアルNバック課題のように、ワーキングメモリを使うゲームは、脳を変化させることがわかっていますので、数独をするとワーキングメモリが鍛えられる可能性は高いんじゃないかなと個人的には思っています。
数独とは&ブラウザゲームやアプリ
ちなみに数独とは9×9のマスの中に、1から9までの数字を入れていくパズルで、ルールは以下の3つだけというシンプルなゲームです
- 一列で同じ数字を使ってはいけない
- 一行で同じ数字を使ってはいけない
- 一つのブロックで同じ数字を使ってはいけない
こちらもブラウザでできるサイトやスマホアプリがあります
ブラウザゲーム数独無料ゲーム
iPhoneアプリ
ナンプレ – 数字パズルゲーム
Androidアプリ
ナンプレ – 古典的ロジックパズル
まとめ
いかがだったでしょうか。今回はワーキングメモリが低い人の特徴とその原因、鍛え方についてご紹介しました。
ワーキングメモリが低い人の特徴は
- ワーキングメモリが依存しやすい方向に働いている
- 情報の波に呑まれている
- うっかりミスが多い
でした。
そして、ワーキングメモリが低くなる原因には
- ストレスを感じている
- 喫煙、ゲームといった快楽に依存してしまっている
- 睡眠不足である
- 頭を使っていない
があり、その解決策となる鍛え方について
- デュアルNバック課題をする
- パズルを解く
ということをお勧めさせていただきました。
なにより、依存症がワ-キングメモリをハックしてさらに依存症を加速させるなんて恐ろしいなと感じました。
下の本は今回の記事を書く上でとても参考になったので良ければチェックしてみてください!強いワーキングメモリはスポーツの成績をよくするなど今回話せなかった内容も含めて、面白い内容がたくさん書かれていますので、宜しければ一度ご覧ください。
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ご拝読ありがとうございました。
参考文献
Anderson,S. R., et al. (2021)Modeling neural and self-reported factors of affective distress in the relationship between pain and working memory in healthy individuals.Neuropsychologia
Karremans, J.C., Verwijmeren, T. Pronk, T.M. Reitsma, M. (2009). Interacting with women can impair men’s cognitive functioning. Journal of Experimental Social Psychology, doi:10.1016/j.jesp.2009.05.004
Jeremy W. Grabbe, 2011, 『Sudoku and Working Memory Performance for Older Adults』, Activities, Adaptation & Aging, 35, pp. 241-254
トレーシー・アロウェイ、ロス・アロウェイ、栗木さつき訳(2013). 『脳のワーキングメモリを鍛える!』. NHK出版
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